最近ブランドを再構築したGoDaddyは、一新したウェブサイトビルダーを提供しています。ミニマリストなデザインで有名なSquarespaceのテンプレートを見習ったのでしょう。GoDaddyはSquarespaceと似たような機能があり、フリーミアムプランも登場しています。
しかし、GoDaddyはSquarespaceのような強豪に対抗できるのでしょうか? 表面的には2つのウェブサイトビルダーはほぼ同じですが、深堀してみると違いがはっきりしてきます。デジタルコンテンツクリエイターとして5年以上活動してきた私が、GoDaddyとSquarespaceを詳しく比較して違いを分析しました。
ビルダーの機能、順応性、価格、サポート体制などを調査した結果、SquarespaceはGoDaddyより圧倒的にデザイン、カスタマイゼーション、機能性の面で優れていることが分かりました。Squarespaceの14日無料トライアルで今すぐお試しいただくか、GoDaddyをおすすめしない理由について詳しく見ていきましょう。
1. テンプレート
GoDaddyはSquarespaceのスタイリッシュなデザインには敵わない
Squarespaceを使い始める時、まずは80種類以上のテンプレートから選ぶのが最初の作業です。14種類のカテゴリに整理されていて、ブログ、ポートフォリオ、ネットショップ、飲食店などあらゆる分野をカバーしています。
テンプレートを選んだ後は思う存分編集できます。Squarespaceは他のウェブサイトビルダーより柔軟にカスタマイズできるという特徴があるのです。大幅に変更を加えたい場合、別のテンプレートに切り替えることもできます(バージョン7.0)。
デザインはすべてモバイルレスポンシブで、本当にきれいにデザインされています。スッキリしていてスタイリッシュですし、モダンな印象です。SquarespaceのテンプレートはAppleを連想するようなミニマリズムがテーマとなっています。

GoDaddyはモバイルレスポンシブのテンプレートが300種類あり、様々な業種を網羅した13種類のカテゴリに整理されています。Squarespaceを真似ているのは明らかです。編集を始めた後でも新しいテンプレートに切り替えられます。
ただし、Squarespaceより編集できる部分が少ないのが残念です。文字の大きさや書体を変更したり、ボタンや色のテーマも編集できますが、他にはあまりカスタマイズできません。これは重大なデメリットです。サービスの改善に取り組んでいるのは明らかですが、GoDaddyのデザインはSquarespaceほど魅力的ではありません。安っぽい印象です。
テンプレートの面ではSquarespaceの方が明らかに優れています。

2. 機能と使いやすさ
GoDaddyは使いやすく、Squarespaceは機能が充実
テンプレートでは残念な結果でしたが、GoDaddyは使いやすいのが特徴です。ポイント&クリック形式のエディタとシンプルで簡単に使いこなせるツールバーがあります。サイトを始めて作る場合、ADI(人口デザイン知能)が役立ちます。ADIの助けを借りれば白紙からデザインし始める必要がなく、一番初めの段階は圧倒されてしまうことが多いので便利です。どんなサイトを作りたいのかによってテーマを選び、ストック画像やテキストなどを追加してくれます。
また、エディタは日本語で利用できるので、とてもスムーズに作業を進められます。
新しいセクションを追加したい場合、GoDaddyは何百種類もコンテンツブロックを用意しているのが役立ちます(有料のブロックもあります)。写真、SNSのインテグレーション、問い合わせフォーム、ギフトカード、予約などが25種類のカテゴリに整理されています。また、SEOやマーケティング、ソーシャルメディアなどの便利なビジネスツールもあります。さらに、GoDaddyのアプリを使えば外出中も編集でき、このようなサイトビルダーは比較的珍しいでしょう。

一方、Squarespaceは習得するのに少し時間が掛かります。WYSIWYGエディタはGoDaddyのエディタほど使いやすいとは言えませんが、使いにくいとも思いませんでした。
しばらく使ってみると使い方が分かってきますし、質の良い機能がいくつかあるのも良いと思いました。飲食店向けのメニュー、問い合わせフォーム、RSSフィード、ソーシャルメディアフィード、予約、eコマースの商品などを利用できます。また、ロゴジェネレーターやカスタムコードも追加できます(高価格なプランへのアップグレードが必要です)。
もう1つのデメリットは日本語で利用できないことです。英語が苦手な方には向きません。
コンテンツブロックを選んだら、要素をドラッグして好きなところに配置できます。ただし、Squarespaceはデザイン重視でモバイルでもきれいに表示できるようにしているため、どこにでもブロックを移動できるわけではありません。
しかしウェブデザインの専門知識がない人にとって、ある程度制約があるのはメリットだと思います。自由にコントロールできなくても、デザインがめちゃくちゃになってしまわないので安心してサイトを作成できます。

3. アプリ、プラグイン、アドオン
Squarespaceはアドオンが少ないものの、質が良い
SquarespaceもGoDaddyも独自のアプリマーケットはありません。機能がすでに搭載されているため、サードパーティのアプリを使わなくて済みます。しかし、WixやWordPressなど多彩なアプリやプラグインを提供しているウェブサイトビルダーのように無限にカスタマイズすることはできません。
GoDaddyとSquarespaceを比較して見ると、Squarespaceの方がインテグレーションの種類が多く、質も良いでしょう。
GoDaddyの場合、サイトの機能性を向上するアドオンは少なめです。以下のようなものを利用できます。
- レストランの予約
- 食べ物のネット注文
- 不動産情報
- Instagramのビジネスアカウントの投稿
- レビュー
これらのアドオンはレストランや不動産会社を経営している方には役立つでしょうが、他の業種にはほとんど意味がありません。
Squarespaceもサードパーティの拡張機能が少なく、機能を追加することはできませんが、GoDaddyよりアドオンは多めです。
Squarespaceは多数の外部サービスと提携しているため、以下のようなサービスをインテグレーションできます。
- Googleマップ
- OpenTable
- SoundCloud
- YouTube
- Vimeo
- Apple Pay
- PayPal
- 他にも多数
Squarespaceではブログの投稿を複数のプラットフォームで投稿でき、地図やYouTubeの動画を埋め込んだり、予約、支払い、送料の管理、フィードバックアンケートの作成など様々なことができます。
4. eコマース
eコマース機能は似ていますが、Squarespaceの方が一歩先
GoDaddyもSquarespaceも似たようなeコマース機能がありますが、GoDaddyでは一番高価格なプランに限定されています。以下のような機能があります。
- SSL証明書
- PayPal、Stripe、Squareなどの支払い処理サービスに対応
- 商品数が無制限
- 放置された買い物かごのリマインダー
- 物的な商品だけでなく、デジタル商品の販売も
GoDaddyではとても簡単にネットショップを作成できます。「商品」というブロックを追加し、商品情報を入力するだけです。Squareのアカウントがある場合、最大で1万件の商品を直接インポートできます。他にもAmazon、Etsy、eBayなどのプラットフォームで販売したり、SMSで販売の通知を受け取ったり、Yotpoのインテグレーションで商品レビューを受け付けたりできます。
GoDaddyは販売手数料が掛からないのと、PayPalの手数料が低いのは注目に値します。

低価格のSquarespaceプランでは売り上げ手数料が3%掛かりますが、一番高価格の2つのプランでは手数料は掛かりません。ネットショップは素早くセットアップでき、CSVファイルまたはSquareのアカウントから商品をインポートできます。他にも、消費税計算、ギフトカードやサブスクリプションの販売、SNS経由の販売、送料計算(アメリカのみ)などが可能です。

Squarespaceでは追加機能として、Squareをインテグレーションできます。オフラインで商品を販売してカードで支払いを受け付けることができ、オンラインの在庫と同期できるのです。このような追加機能があること、ビジネスのニーズに合わせてプランを選べることなどにより、eコマースの面ではGoDaddyよりSquarespaceの方が優れていると言えます。
5. SEO
基本的なSEO機能ばかり
もちろん、楽しいという理由だけでサイトを作るのではありませんよね。ビジネスやブログなどを成功させるサイトを作りたいものです。そんな時に役立つのはSEOツールです。
SquarespaceもGoDaddyもSEO機能はほぼ同レベルでしょう。Googleなどの検索エンジンに簡単に見つけてもらうのに役立つ機能を利用できますが、GoDaddyの倍は高価格なプランに限定されています。両方のウェブサイトビルダーで以下のようなことが可能です。
- メタタイトルやディスクリプションの編集
- URLスラグの変更
- 画像のaltテキストの追加
- キーワードのサポート
- モバイルレスポンシブのテーマ
有料ですが、GoDaddyには自動SEOウィザードがあり、SquarespaceでもSEOエキスパートに依頼できます。
また、Squarespaceは最近「Squarespaceアナリティクス」という便利なツールをリリースしています。サイトがトラフィックを獲得するのに一番役立っているキーワードを識別し、利用者のニーズや興味に合わせてコンテンツを調整できるツールです。この項目に関しては引き分けでした。
6. 価格
Squarespaceはお金を払う価値はあるのでしょうか?
無料プランがあるのはGoDaddyだけです。一方、Squarespaceは無料トライアルがあり、サービスの質を考えると料金は妥当でしょう。
Squarespaceは全プランに以下のサービスが含まれています。
- 無料カスタムドメイン
- 帯域とストレージ容量が無制限
- SEO機能
- テンプレートが無制限
- 24時間週7日体制のカスタマーサポート
「ビジネスプラン」にアップグレードするとeコマース機能を利用でき(手数料が掛かりますが)、完全にカスタマイズできるようになります。他にも、プレミアムインテグレーションや高度なサイトアナリティクスをアンロックできます。
大規模なeコマースサイトで手数料を支払いたくない場合、高価格な2つのプランを検討すると良いでしょう。どちらもお客さんがアカウントを作成でき、eコマースアナリティクスやInstagramの商品インテグレーション機能などを利用できます。放置された買い物かごの復元、サブスクリプションの販売、高度な送料計算などを利用できるのは一番高価格なプランだけです。
GoDaddyは4種類の料金プランがあります。個人サイトやビジネスサイト向けのプランは3つ、ネットショップ向けのプランは1つあります。全プランに以下の特典が含まれます。
- SSL証明書
- 無料カスタムドメイン
- モバイルアプリで外出中も編集可能
- 24時間年中無休サポート
スタンダードプランにアップグレードすると利用できるSEO、ソーシャルメディア、マーケティングツールが増えます。プレミアムプラン、eコマースプランではどちらも毎月25000通のマーケティングメールを送信でき、ネット予約を受け付けることもできます。eコマース機能は一番高価格なプランでしか利用できません。
GoDaddyのベーシックプランとSquarespaceのパーソナルプランを比較するとGoDaddyの方が圧倒的に安いですが、Squarespaceの方が機能性が優れているのでお金を払う価値があります。
Squarespace パーソナルプラン | Squarespace ベーシックeコマースプラン | GoDaddy ベーシックプラン | GoDaddy eコマースプラン | |
無料ドメイン | ○ | ○ | ○ | ○ |
帯域 | 無制限 | 無制限 | 記載なし | 記載なし |
ストレージ容量 | 無制限 | 無制限 | 記載なし | 記載なし |
SEOツール | ○ | ○ | × | ○ |
アナリティクス | 基本的なサイト解析 | 基本的・高度なサイト解析 | GoDaddy Insight | GoDaddy Insight |
サポート体制 | 24時間年中無休サポート | 24時間年中無休サポート | 24時間年中無休サポート | 24時間年中無休サポート |
商品数が無制限 | × | ○ | × | ○ |
ギフトカード | × | ○ | × | ○ |
7. サポート
GoDaddyの電話サポートとSquarespaceのチケットサポートを徹底比較
GoDaddyは電話サポートを提供しています。東京と全国対応の2つの電話番号があり、対応時間は午前10時~午後5時(月~金)です。他にもブログ、よくある質問、コミュニティ掲示板があるヘルプセンターを利用でき、使い方の動画チュートリアルも充実しています。サポートは全プランで利用可能です。
私は電話が嫌いなのですが、実際にGoDaddyのサポートに電話で問い合わせてみました。約5分間待たされましたが、とても親切なサポートスタッフが対応してくれて、たくさんの質問に詳しく答えてくれました。待つのが嫌な人はコールバックリクエストサービスがあるので、折り返し電話してもらうこともできます。
ライブチャットサポートは日本語版のサイトでは利用できませんが、英語版サイトで試してみました。待ち時間は22分だと表示されたのですが、ほんの数分で対応してくれました。しかし、質問にきちんと答えてくれるまで何度かやり取りをしなければなりませんでした。

Squarespaceはメールチケットシステムとコミュニティ掲示板で24時間年中無休のサポートを提供しています。ライブチャットもあり、対応時間は東部標準時の午前4時~午後8時です(月~金)。日本時間では午後6時~午前10時なので、日中に問い合わせたい場合はかなり不便です。
電話サポートはありませんが、個人的には電話が嫌いなのでデメリットだとは思いませんでした。また、掲示板もあるのでSquarespaceの他のユーザーにアドバイスしてもらえます。
Squarespaceのヘルプ機能を利用すると、どんな質問があるのか一覧から選ぶことから始まります。これは少し不便だと思いました。将来的にSquarespaceのサイトをWordPressに移転できるか質問したかったのですが、当てはまるカテゴリがなく、「その他」というカテゴリもありません。
結局、適当にクリックして質問を入力して待つことにしました。約10分後、Kean W.というスタッフがチャットに参加し、役立つ記事のリンクを教えてくれました。

似たような質問をSquarespaceのチケットサポートで質問したところ、わずか9分で返信が届きました。ここまで速い対応は珍しいでしょう。

全体的にサポートの対応は同じくらい良かったですが、Squarespaceの方が待ち時間が短かったです。
結論:安ければ良いというものではない
GoDaddyはサービスを改善しているようですが、Squarespaceには及びませんでした。Squarespaceより安いものの、柔軟にデザインできず、搭載されているインテグレーションやeコマース機能が少ないのです。
たくさんの機能を利用できなくても構わないのであれば、GoDaddyの方が使いやすいのでおすすめです。例えば、個人サイトやブログを始めたい方にはピッタリでしょう。無料プランがあるのも魅力的です。
しかし、たくさんの機能があり、カスタマーサポートが素早く対応してくれ、すっきりしたモダンなデザインのサイトを作りたいのであればSquarespaceの方が優秀です。
GoDaddy | Squarespace | |
無料トライアル期間 | 30日間 | 14日間 |
テンプレート | 300種類以上、カスタマイズは制限あり | 80種類のきれいなテンプレート、無限にカスタマイズ可能 |
機能と使いやすさ | シンプルなポイント&クリックエディタ、基本的な機能が多い | 習得はやや難しいが追加機能が豊富 |
アプリ、アドオン、インテグレーション | アプリマーケットなし。サードパーティのインテグレーションは少なめ | アプリマーケットなし。インテグレーションが多く、質も良い |
価格 | 4つの価格プラン | 4つの価格プラン |
サポート | 24時間年中無休。電話で対応。 | 24時間年中無休。チケット・メールシステムとライブチャットで対応 |
eコマース | 一番高価格なプランのみ | パワフルなeコマース機能が豊富 |
SEO | 基本的なツールのみ | 基本的なツールと便利なチェックリスト |
日本語で利用可能 | ○ | × |