数年前にA2 HostingとSiteGroundのどちらかを選ぶとしたら間違いなくSiteGroundを選んだのですが、過去にどのレンタルサーバーが優れていたのかというのは興味がないですよね。サイト訪問者も同じでしょう。あなたが知りたいのは「今、SiteGroundとA2 Hostingとではどっちのほうが良いか」ということ。筆者が最近行った検証では、驚くべき結果となりました。
SiteGroundは以前ほど素晴らしいレンタルサーバーではないことが分かったのです。特に、A2 Hostingのように格安で高性能なサービスと比較するとイマイチです。もちろん、SiteGroundは非常に使いやすいなど現在もメリットはありますが、パフォーマンスはもはや他社に後れを取っています。
A2 HostingとSiteGroundを正確に比較するため、同僚と共に数か月にわたって両社のレンタルサーバーを検証しました。結果から言うと、A2 HostingのほうがSiteGroundよりはるかに高速で、コストも格安です。とは言え、サポートはSiteGroundのほうが優れており、機能が使いやすい点も感心に値します。
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1. プランと料金
A2 HostingのほうがSiteGroundより安い(特に長期的に利用する場合)
手頃な共用レンタルサーバーが欲しい場合、A2 Hostingはかなりオトクです。A2 Hostingの共用レンタルサーバープランはSiteGroundのおよそ半額で、更新料金を比較するとそのギャップはさらに大きくなります。
例えば、A2 HostingのエントリーレベルのStartupプランはサイトは1つ、ストレージ容量は100GB、帯域幅は無制限となっています。一方、SiteGroundのStartupプランは2倍の価格であるにも関わらず、ストレージ容量はわずか10GB、帯域幅は月間訪問者数にすると10,000人程度です。
公平を期すために言いますが、A2 Hostingとは違ってSiteGroundのレンタルサーバープランにはマネージドWordPressサービスが含まれます。ワンクリックインストーラ、WordPressスタートアップウィザード、自動更新とバックアップ、専門サポートなどが利用可能です。A2のエントリーレベルプランは特徴が異なりますが、ワンクリックWordPressインストーラが使えますし、更新やバックアップを自分で行うのはそれほど難しくありません。
A2 Hostingは別のマネージドWordPressホスティングプランを提供していますが、通常のレンタルサーバープランよりかなり高価格です。それでも、複雑なWordPressサイトを運営するのであれば検討する価値があるかもしれません。このプランはA2 Hostingの最高性能Turboサーバーを使用しており、Jetpack Personalライセンスが無料で含まれます。
よりパワフルなホスティングソリューションが必要な場合、A2 HostingのマネージドVPSプランかSiteGroundのマネージドクラウドを選ぶと良いでしょう。しかし、その場合もやはりA2 Hostingのほうがコストパフォーマンスは高いと言えます。例えば、SiteGroundのBusinessプランはA2 HostingのLift 16プランの2倍の価格であるにもかかわらず、メモリと処理能力はA2のほうが2倍、SSD容量は7倍となっています。
2. 特徴
SiteGroundのほうが安いものの、一番安いプランの仕様はA2 Hostingのほうが優れている
以前からSiteGroundの強みは仕様で、現在もプレミアムプランはかなりパワフルです。しかし、Startupプランは非常に基本的で、A2 Hostingのエントリーレベルプランと比較すると劣っています。
A2 Hostingのほうがストレージ容量と帯域幅が多いだけでなく、評判の良いcPanelコントロールパネルが使えます。確かにSiteGroundの独自コントロールパネル「Site Tools」のほうが簡単ですが、重要な機能が使えません。例えば、cPanelではサイトのクローンを作成してステージング環境で変更点を確認できますが、Site Toolsの場合、プレミアムプランでなければ不可能です。
また、cPanelでは数百ものコンテンツ管理システム(CMS)のワンクリックインストーラが利用可能です。A2 HostingはWordPressをはじめとする人気CMSをすばやく設定できるよう、カスタムインストレーションも複数提供しています。パフォーマンスやセキュリティ対策のためのプラグインが選択されているのは非常に便利です。
Site Toolsでは独自のワンクリックインストーラ「App Manager」が利用できますが、インストールできるCMSは18個しかありません。WordPress、Drupal、Joomlaなどの人気CMSには対応しているものの、SymfonyやLaravelなどのフレームワークが欲しい場合は手動でインストールしなければなりません。
大半のcPanelホストに含まれる開発者向けツール「Git」さえ、SiteGroundのベーシックパッケージでは無効になっています。
SiteGroundの一番高いGoGeekプランでは、上記の機能に加えて高度なキャッシング、オンデマンドバックアップ、コラボレーションツールが使えますが、安くありません。
また、SiteGroundは比較的スタンダードな30日間返金保証があるのに対して、A2 Hostingはいつでも中途解約して日割り返金を希望できます。このようなレンタルサーバー事業者はほかにありません。
| 特徴 | A2 Hosting | SiteGround |
|---|---|---|
| ホスティングの種類 | 共有、WordPress、VPS、専用サーバー | 共有、WordPress、マネージドクラウド |
| 無料ドメイン | × | × |
| 無料SSL証明書 | 〇 | 〇 |
| ディスク容量 | Startupプランでは100GB、ほかのプランでは無制限 | 10GB~40GB |
| 帯域幅 | 無制限 | 月間アクセス数は10,000~100,000件 |
| 自動バックアップ | あり(毎日)、
Startupプランはなし |
あり(毎日) |
| コントロールパネル | cPanel | Site Tools(独自) |
| メールアカウント | 無制限 | 無制限 |
| 無料CDN | 〇 | 〇 |
| 無料サイト移行 | 〇 | 〇 |
| 返金保証 | いつでも | 30日間 |
3. パフォーマンス
A2 HostingのほうがSiteGroundより断然速い
A2 HostingとSiteGroundはどちらも全プランでSSDストレージを提供しています。これは大きなメリットですね。また、複数のデータセンター拠点から選べるので、ターゲットオーディエンスに最適な地域を選ぶとサイトの表示速度を改善できます。A2はアメリカ、オランダ、シンガポールにサーバーを構えているのに対して、SiteGroundはこれらの国のほかにイギリス、ドイツ、オーストラリアもカバーしています。
ウェブサーバー技術について、SiteGroundは全体でNginxを使用しており、プレミアムプランでは複数のキャッシュプラグインが有効になっています。一方、A2 Hostingは下位プラン2つで従来的なApacheを、Turbo BoostとTurbo MaxプランでLiteSpeedを使用しています。
ApacheよりNginxのほうが高速で安定していますから、SiteGroundのほうがA2 Hostingより高性能であることが予想されますね。特に、SiteGroundは最近、世界最速のクラウドインフラを誇るGoogle Cloud Platformにサービスを移行したので筆者はそう思ったのです。
しかし、予想外の結果となりました。GTmetrixでA2 Hostingの性能を調べたところ、平均読み込み時間は1.3秒という優秀な数値だったのです。最速1.1秒でページが表示され、一番遅いものでも1.6秒だったので感心しました。
スピードテストの結果全容はA2 Hostingの完全レビューをご覧ください。

SiteGroundにも高い期待を寄せていたのですが、ページの表示に平均で2.02秒もかかったので非常にガッカリしました。遅くて2.5秒、速くて1.4秒となり、パッとしない数値です。

世界各地でのパフォーマンスを測定するSucuri Time Load TesterでSiteGroundを検証したところ、より良い結果となりました。とは言え、全体のパフォーマンスはBと貧弱です。SiteGroundのパフォーマンステストの結果について詳しくはSiteGroundの完全レビューをご覧ください。

Sucuriテスト結果はA2 Hostingのほうが悪かったものの、この結果は完全には信用できません。A2 Hostingがリクエストを制限していた可能性があるからです。GTmetrixではA2のほうがはるかに好成績だったことを考えると、パフォーマンスが悪かった原因はレンタルサーバーではなくSucuriだと思います。

稼働率はSiteGroundもA2 Hostingも上出来です。SiteGroundは99.9%を保証していて、数ヶ月にわたって稼働率を調べた結果、99.997%とほぼパーフェクトでした。

A2 Hostingも稼働率99.9%を保証しており、検証では100%というパーフェクトな結果となりました。A2 Hostingならサイトが停止しないと断言することはできませんが、他社と比べるとはるかに安定していることが分かります。

まとめると、稼働率は両社とも高いものの、A2 HostingのほうがSiteGroundより間違いなく高速です。A2 Hostingの検証でTurboサーバーを使わなかったことを考えると、さらに感心してしまいますね。
4. セキュリティ
A2 Hostingではセキュリティツールが無料で利用可能。SiteGroundでは追加料金がかかる
平均的なウェブホスティングサービスと比較すると、A2 HostingとSiteGroundのセキュリティ機能はどちらも優れています。まず、全プランにSSL証明書が無料で含まれるため、サイト訪問者のデータと接続は安全です。
サイトのアドレスの隣に小さな南京錠マークも表示されるので、訪問者に安心感を与えられます。検索エンジンでサイトが上位に表示されるのもメリットですね。
SSLのほかに、A2 Hostingは全プランで完全なセキュリティスイートも提供しています。デュアルファイアウォール、強化されたDDoS対策、マルウェアスキャナ、Patchmanセキュリティツールなどが含まれます。Patchmanは更新が必要なソフトについて通知し、不審なファイルを直ちに隔離するツールです。
SiteGroundはファイアウォールと24時間年中無休モニタリングシステムを提供していますが、それだけです。マルウェアスキャナなどの高度なセキュリティツールが欲しい場合、SG Site Scannerアドオンを購入しなければなりません。
セキュリティの観点でSiteGroundが優れているポイントは、全プランで毎日自動的にバックアップしてくれること。A2 Hostingの場合、Startupプランにバックアップは含まれないため、自分で行う必要があります。
5. サポート
両社とも問い合わせにくいものの、少なくともSiteGroundは対応してくれる
SiteGroundとA2 Hostingはどちらも24時間年中無休のカスタマーサポートを提供しています。SiteGroundは24時間年中無休のライブチャット、電話、メール/チケットサポートがあり、A2 Hostingは24時間年中無休のライブチャットとチケットサポートを日本語で提供しています。電話サポートも利用可能ですが、24時間年中無休ではありません。両社ともサポート担当者になかなか繋がらなかったのは残念でした。
例えばSiteGroundの場合、ヘルプセンターを探し、何度も質問に答えなければライブチャットが表示されないのです。このような仕組みにすることで、SiteGroundは利用者が問い合わせるのを思いとどまらせようとしているようです。お世辞にも良いとは言えません。

とは言え、ようやく担当者に繋がったときは、SiteGroundのカスタマーサポートはなかなか良いと感じました。ほとんどの質問に詳しく答えてくれましたし、WordPressとSSL証明書のインストールを代行するとも言ってくれました。親切ですね。あまりにも親切だったので、返信に1時間近く待たされたことを忘れそうになりました。

一方、A2 Hostingのサポートはあまり良くありませんでした。「Guru Crew」のほうが対応が速かったと言いたいところですが、ライブチャットはすぐに見つかったのに担当者はなかなか返信してくれなかったのです。2時間近く待たなければならないこともありました。

しかし、最悪の欠点は対応が遅いことではありません。A2のサポート担当者にようやく繋がったとき、役立つ情報は得られないことに気付いたのです。意味不明な回答で、担当者より筆者のほうがA2 Hostingのプラットフォームについて知っているという印象を受けました。

チケットで問い合わせた時はきちんと回答してくれたものの、「エキスパートアドバイス」ではありませんでした。Google検索すれば見つかるような基本的な情報ばかりだったのです。
問題を自分で解決したい場合はそれほど不満を感じないかもしれません。SiteGroundとA2 Hostingはどちらもヘルプセンターに詳しいガイドが多数掲載されているため、ライブチャットで問い合わせずに済むはずです。
パフォーマンスが優秀で低価格のA2 Hostingを選ぼう
かつての栄光はどこへやら。SiteGroundはもはやA2 Hostingの足元にも及びません。確かにカスタマーサポートはA2 Hostingも問題がありますが、ほかのカテゴリはSiteGroundをはるかに上回っています。
使い方を自分で調べるので構わなければ、A2 Hostingのほうが間違いなく価値があります。エントリーレベルプランは特にそうです。一方、合理的なユーザーエクスペリエンスを求める場合はSiteGroundが良いかもしれません。複雑なサイトやECサイトを運営する場合は避けたほうが良いですが、シンプルなWordPressブログ、個人のホームページ、ビジネスサイトには向いています。
SiteGroundとA2 Hostingはどちらもレンタルサーバーおすすめランキングにランクインしていますが、他の一流サービスと比較してから最終決定したほうが良いでしょう。
よくある質問
A2 HostingとSiteGroundのうち、優れているのはどっち?
筆者の調べでは、SiteGroundよりA2 Hostingのほうが高性能で低価格です。カスタマーサポートはかなり残念でしたが、A2 Hostingは業界最速の格安レンタルサーバーの1つなのです。エントリーレベルプランでもリソースは豊富で、さまざまなCMSインストーラが利用でき、セキュリティも比較的しっかりしています。一方、SiteGroundは性能が劣っていることを考えると、高価格なのは納得できません。SiteGroundのほうがレンタルサーバーを簡単に始められますが、アクセス数の多いサイトや複雑なサイトには向きません。SiteGroundとA2 Hostingを一流のレンタルサーバーと比較したい場合はレンタルサーバーのおすすめランキングをご覧ください。
A2 HostingはWordPress向けレンタルサーバーを提供していますか?
はい、A2 HostingではマネージドWordPressホスティングが利用できます。コストは高くなりますが、WordPressサイトのアクセス数が多い場合は検討する価値はあるかもしれません。A2 HostingのマネージドWordPressプランはどれも高性能Turboサーバーを採用しており、リソースが豊富で、Jetpack Personalライセンスが含まれます。理由はほかにもありますが、A2 HostingはマネージドWordPress向けレンタルサーバーのおすすめランキングに選ばれているほど優秀です。
SiteGroundのレンタルサーバーを選ぶ価値はありますか?
数年前はSiteGroundを選ぶ価値はありました。SiteGroundは以前から割高なのが大きなデメリットでしたが、パフォーマンスが優秀で利用体験が快適なので値段相応の価値があったのです。しかし、最近の検証で表示速度はほかの一流企業に後れを取っていることが分かっています。SiteGroundのコントロールパネルの使いやすさは現在も業界トップクラスですが、サイトの利用者にとって最も重要なのは表示速度です。いずれにしても、プランに登録する場合はレンタルサーバーのクーポンページをご覧ください。オトクにゲットできるよう、頻繁に更新しています。
SiteGroundでcPanelは使えますか?
いいえ。SiteGroundは「Site Tools」という独自のコントロールパネルを採用しています。Site Toolsのほうがすっきりしていて、cPanelより断然使いやすいですが、エントリーレベルのStartupプランでは一部の重要な機能が使えません。例えば、上位プランにアップグレードしない限り、ステージング環境で新機能をテストできません。Gitとの連携、高度なキャッシング、一部のセキュリティツールも上位プラン限定です。















